「叱るとパワハラにとられてしまいそう」「パワハラと指導の境目がわからない」
このように悩む上司は少なくありません。コンプライアンスのしっかりした企業ほど、その傾向が強まっているように見えます。
パワハラについて研修を受け、意識が高まることで叱ってはいけない、叱るとパワハラに受け取られるという誤解大きな原因です。
一方、若い人は叱られ慣れていないという人が多いといわれ、褒めて伸ばす教育が推奨されている風潮もあります。
しかし、社会人として仕事を始めれば、叱られる場面は避けられません。そこで、パワハラにならない正しい叱り方について紹介します。
怒ると叱るの違い
まずは怒ると叱るの違いについて知っておきましょう。ここを理解していないと、適切な指導ができないだけではなく、信頼関係にもヒビが入ってきます。
怒るは、感情をそのままぶつける行為で、叱るは相手に何かを伝える行為です。
思い通りいかずイライラしてしまった感情を部下に言葉や態度で伝えようとすると怒りになります。
それに対して、思い通りにならなかった事実と原因を伝えるのが叱るです。
パワハラにならない叱り方とは
叱り方に目がいきがちですが、指導方法として3つのステップがあります。
部下の話を聴く → 叱る → フォローアップ
まずは部下の話を聴き、必要であれば叱ります。𠮟りっぱなしで終わるのではなく、フォローアップで改善できたことを褒めましょう。
叱り方としては「かりてきたねこ」を心がけましょう。
かりてきたねことは以下の通りです。
か:感情的にならない
り:理由を話す
て:手短に
き:キャラクター(性格や人格)に触れない
た:他者と比較しない
ね:根に持たない
こ:個別に叱る
相手が理解できるように叱るようにします。「ちゃんと」「しっかり」などの抽象的な表現だと、相手の理解がずれてしまう可能性が高くなるので注意してください。また、思い込みや決めつけも不信感を与えます。
怒りの衝動は6~10秒といわれています。感情的になりそうな場合、6秒数えて感情的にならないように心がけましょう。
部下にパワハラと言い返されたら
叱っている最中、部下にパワハラですと言い返されてしまった場合も冷静に対応することが大切です。
パワハラを言い立てる部下は、どこからパワハラとわかっていない可能性があります。
相手に巻き込まれて感情的になってしまうと本当にパワハラとなりかねないので、過剰反応しないことが大切です。