ポモドーロ・テクニックの活用法

トマトのタイマー

集中と休憩をリズムで管理する「25分」

時間に追われているのに、なぜか作業が進まない。
そんなときこそ試したいのが、ポモドーロ・テクニックです。
この手法の基本は、「25分作業+5分休憩」を1セットとして繰り返すこと。ただそれだけですが、その効果は想像以上に大きいのです。

「締め切りがあると、なぜか集中できる」という経験はないでしょうか。ポモドーロは、この“締め切り効果”を短時間で再現する方法とも言えます。
25分という制限が、ちょうどよい緊張感を生み、「今だけは集中しよう」とスイッチが入ります。

この25分間は、メールや通知を遮断して、目の前のタスクだけに取り組みます。
5分の休憩をはさむことで脳の疲れをリセットし、次の25分もフレッシュな気持ちで再スタートできるのが特徴です。

たとえば、2時間かかる資料作成も「4ポモドーロ(=25分×4回)」と分割することで、取り組みやすくなります。「あと3回やれば終わる」といった目安ができると、気持ちも軽くなります。

実践するときのコツとステップ

ポモドーロ・テクニックを始めるのに、特別な道具はいりません。キッチンタイマーやスマホのアプリでも十分です。
まずは、今から取りかかるタスクをひとつ決めましょう。内容が具体的であるほど集中しやすくなります。

タイマーを25分にセットしたら、その間は他の作業を一切しないと決めます。
電話やメール、SNSなど、気が散るものはできるだけ遮断しましょう。メモ帳を横に置いて、浮かんできた用事は一度書き出しておくと、今の作業に集中しやすくなります。

25分が経過したら、タイマーの音を合図に作業をいったん止めます。ここで無理に続けないことが大切です。
5分の休憩は、ストレッチや軽いお茶の時間などで、頭と身体を緩めてあげましょう。

これを4回繰り返したら、次は15~30分ほどの長めの休憩を取り、リズムをリセットします。
これにより、午前~午後を通しても集中力の波を安定させることができます。

最初のうちは「集中しきれなかった」「途中で別のことを始めてしまった」ということもあるかもしれません。
それでも、少しずつリズムが身についてくると、次第に“集中の型”が整ってくるのを実感できるはずです。

効果と注意点、合わない人もいる?

ポモドーロ・テクニックは、集中力を高めたい人には特に相性が良い方法です。
タスクが曖昧で散らかりやすい仕事でも、短時間で区切ることでメリハリがつき、集中力の波に飲まれにくくなります。

特に、自宅でのリモートワークやフリーランスなど、自己管理が求められる環境では有効です。外的な時間管理がない分、自らリズムを作れる手段があると安心感にもつながります。

ただし、この方法が合わない人もいます。たとえば、25分では作業が一区切りつかないタイプの仕事や、没入が必要なクリエイティブ業務では、タイマーの音がむしろ邪魔に感じられることも。
また、5分の休憩が逆にテンポを崩してしまう人もいるため、やり方に柔軟性を持たせることが大切です。

あくまで「ポモドーロ」はひとつの型であり、万人にとっての正解ではありません。
集中が続いているときは1ポモドーロをスキップして作業を続けたり、25分を30分に変更したりと、自分に合うリズムに微調整してみるのも良い方法です。

また、チームで活用する場合は「チャットを返せない時間がある」ことを事前に共有しておくとスムーズです。
仕事の進め方にリズムができれば、疲れ方も変わり、気持ちにゆとりが生まれるでしょう。

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